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2005年 9月 • Vol 2, No 9
現在における存在 • 目覚め • 高次のセンター • 最愛の者 • 神
現在に存在する

Fellowship of Friends, Inc.発行



高次のセンター

注意を分割し、現在に存在するための努力はすべて、ひとつの目的 − 高次のセンターに達し、高次の意識状態を経験すること ― をめぐって展開します。これが秘教的な文献で「二度目の誕生」あるいは「秘教的な内なる結婚」と表現されるものです。

私たちが注意を分割していないときには、外的には存在していても、内的にはそこにいないも同然です。気づきは外的な対象にひきつけられ、空想自己同一化としてあちこちへ散っていきます。注意を分割する — 自分自身と自分の周囲の環境に同時に気がつくようになる — ことの意義は、これにより空想のヴェールを振り払い、自己同一化の状態から現在に存在する状態になることにあります。結果として、物事はより鮮明に見え始めます。このようにして、高次の感情センターが意識の第三の状態において現れ始めるのです。

どこか新しい場所にいる自分に気づいたり、あるいは何年も会っていない友人に突然出会ったときのように、何か思いがけないことが起こった場合に、第三の状態が一瞬だけ生じることがあります。自分のおかれた状況の新しさや当惑によって、周囲の環境にいる自分自身により気づいている状態が生まれるのです。これが第三の状態です。もしこの状態が十分深ければその状態を忘れることは決してありません。それは高次の意識状態であり、時間の外に存在しているからです。

さらに、別の状態—第四の状態—もあります。これは、たとえば身の危険を感じた瞬間などに起こる可能性がある状態です。生命の危機を経験したことのある人々は、その経験を極めて明瞭な状態、時間が止まったような感覚、その瞬間に何が起こっているのか異常なまでにはっきりとわかる感覚としてよく表現します。これは意識の第四の状態における高次の知性センターによる知覚です。しかしこの状態もまた通常は非常に短く、それを維持することは不可能です。

高次のセンターは「センター」と呼ばれてはいますが、低次のセンターとはあらゆる点で異なっています。ちょうど太陽と地球の創造の序列が異なっているように、高次のセンターと低次のセンターはその創造の序列が異なっています。高次のセンターが複数の<私>を生み出すことはありません。高次のセンターには言葉がなく、意識的です。高次のセンターは私たちの内なる神なのです。これが、すべての歴史を通じ秘教的なスクールが低次のセンターを「地上」あるいは「世界」と呼び、高次のセンターを「最愛の者」あるいは「神」、「主」と呼んできた理由です。

ロバート・アール・バートンが頻繁に私たちに思い起こさせるのは、高次センターが現在に存在する状態こそこの地上における生命の隠された意義であるという点です。しかし、高次のセンターについて知らないほとんどの人は、生命の意義を低次のセンターの中に追い求めます。たとえば知性センターが書物の中に真実を求めようとするのに対し、感情センターは宗教の中に真の信仰を求めようとします。本能センター運動センターは肉体的な成就を追求し、ダイエット、ヨガ、瞑想などを通じて幸福になろうと努めます。その一方で、人々が求めている高次の意義は私たち自身の内部に存在しているのです。それが真の自己 — 自分の高次センターが現在に存在する神聖な状態なのです。

秘教的なスクールの目的は常に、高次のセンターと低次のセンターを区別し、高次のセンターが現在に存在する状態に達するために低次のセンターを利用することにあります。これがタロットカード21番が象徴するものです。本能・動作センター(ひとつのセンターとしてみなされる)は雄牛、感情センターはライオン、知性センターは鷲として表現されています。天使は、感情センターの一部である執事のシンボルです。執事はすべての努力を現在に存在する状態へと導きます。 執事に統治されるセンターの知性パートは、意識の第三の状態において、高次の感情センターが現在に存在する状態をさらに生み出そうとします。

執事が注意の分割を始めるとき、私たちは空想と自己同一化におけるさかさまの状態(タロットカード12番)から、現在に存在するクリアな状態へと向き直るのです。このように高次のセンターを教育することで、高次のセンターは徐々により強くなり、より頻繁に現れ、より長くそこにとどまる(タロットカード21番)ことができるようになります。


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3 — 現在に存在する状態をさらに生み出し、その状態を維持する
(講座1および2を受けた方のみ受講可)
• 執事およびセンターの知性的部分を発達させる
• 「機械の背後に存在する知力」としての本能センター
• 現在に存在する状態をさらに生み出し、その状態を維持する特定の方法


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タロットカード12番(逆さ吊りの男)と21番(世界)。

高次のセンターに関する引用
目的は、高次の意識状態に至り、高次のセンターに働きかけることを可能にすることである。他はすべてそのために、それを達成するためにある。
ピョートル・ウスペンスキー
執事はその主人、言葉のない状態に奉仕するように意図されていると理解してはいても、高次のセンターを模倣し、競い合おうとします。私たちは多数の<私>ではありません。執事でさえも本当の存在ではないのです。しかし、執事が生み出す言葉のない高次のセンターは本当の存在です。
ロバート・アール・バートン  
まさに全世界は空想であり、神のみが真の現実である。.
シャー・ニマトゥラー(14世紀のスーフィ)
  
私は理解のできない静寂である。
ナグハマディ文書
この世界と結婚した者は、手足を鎖で縛られた者と同じである。
梯子のジョン (John of the Ladder) 
探し求めていた者を見つけたなら、この世界を見捨て、手放しなさい。
ハフィーズ 
 
あなたの主に近づくためのことなら何でもしなさい。
イブン・アラビー
 
それ以上の満足はない。最愛の者との出逢いを大切にしなさい。
カビア
 
私はわが主のもとへ行く、ある状態からさらに良い状態へと、そしてある場所からさらに高次の場所へと。
マホメッド
 
今、私は愛の中に生まれる。私は自分自身を超えた存在である。なぜなら私は二度生まれたのだから。
ルーミー
 
ほとんど稀にしかないものを求めよ。
アラビアンナイト
 


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