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現在に存在しながら聴く
現在に存在する状態をさらに生み出すひとつの方法は、注意の分割をしながら聴くことです。すなわち、自分の周りの音、たとえば車が通り過ぎる音や人が歩く音、ドアがしまる音、風の吹く音、冷蔵庫のブーンというかすかな音に意識的に気づくことです。大切なのは、こうした音を聴くと同時にそれを聴いている自分自身にも気づいているということです。注意を分割すると、聴くという行為をきっかけとして現在に存在し、それが途切れても再び現在に存在することができます。
音を耳にしていてもあまり聴いていないことがあります。よくあるケースが他人がしゃべるのを聴いている場合です。その人が何を言っているのか大体の意味を理解できても、私たちは一つ一つの単語に耳を傾けてはいません。しかも耳を傾けている自分自身に同時に気づいてはいません。その理由は、空想のヴェールの中で、その程度はさまざまであれ、私たちが第二の意識状態にいるためです。言われたことに対してただ現在に存在するのではなく、自分の反応にとらわれたり、チャンスがあれば次に何を言おうかと前もって考えたり、何か他の事を考えて完全に注意が散ってしまうのです。四つの低次のセンターから生じる複数の<私>は、現在に存在している状態を絶えず邪魔します。フェローシップ・オブ・フレンズの創設者、ロバート・アール・バートンが指摘しているように、「本能センターの知性パートは四つの低次のセンターを操り、他人が話しているときに耳を傾けないようにして、あなたを空想の中に押しとどめるのです。」
空想が極端にひどい場合には何も見えず何も聞こえません。空想の雲があまりに濃すぎて気づきがひどく弱まってしまうのです。空想から我にかえって目覚め、目や耳が開いていたのにその瞬間の出来事から完全に切り離されていたと気づくのはショックです。
話している人をじっと見るのではなく、優しく見つめることは、他人の話を聴くときに注意を分割する助けになります。他人がしゃべっているのを邪魔せずに話し終わるまで待つ、というのもひとつの方法です。さらにもう一歩進んで、他人が話し終わったときにそれに反応しないという方法もあります。その代わりに少なくとも数秒間沈黙を守るのです。こうすれば現在に存在する状態が強くなり、その状態を持続させることができます。スーフィの詩人ルーミーはこれを「言葉の扉を閉じ、愛の窓を開けなさい」と表現しています。これは現在に存在する状態という窓を意味しています。
他人に耳を傾けるのはある種のテクニックであり、この同じテクニックを音楽を聴くときに使うことができます。たとえば器楽曲をかけ、注意を分割しながらひとつひとつの音を聴き、妨げとなる思考をすべて振り払うというエイム(目的)を立ててみます。これを一度に5分間試してみてください。そうするとバートン氏が言っているように、「低次の自己が魅惑的なテーマのごちそうを目の前にならべ、現在に存在する状態から誘い出そうとする」のが分かるでしょう。自分が空想へと誘い込まれた瞬間にはおそらく気づかないでしょう。けれども再び現在に存在する状態に戻ったときには気づくはずです。現在に存在する状態へ焦点が戻った瞬間にその状態を認識し、持続させるように努めてください。
プロの音楽家は訓練された注意力で音楽に耳を傾けるため、たいていの人よりも音楽をよく聴くことができます。しかしたとえ音楽家であっても注意を分割しながら聴くことはありません。音楽家の気づきの矢印はやはり大抵の場合に一方向で、音楽にしか向かいません。注意を分割しなければ、音楽を聴いている自分自身に同時に気がつくことはありません。このため意識的な変容は起こりません。
変容とは本質の変容のことです。本質とは私たち一人一人が持って生まれたもので、非常に幼い子供ならまだはっきりと目につくシンプルな気づきのことです。本質は言葉のない単純な状態であり、思考のパターンなしにありのままに物事を見たり聴いたりします。この状態が自己想起する — つまり本質が注意を分割して現在に存在するとき — 本質は自身を意識的に変容し、この気づきの変容が高次のセンターをもたらします。
高次のセンターの明瞭さを前もって味わうにはただ現在に存在して見たり聴いたりすればよく、他に何も必要はありません。スーフィの詩人ハフィーズは次のように忠告しています。「あなたの身の回りに耳を傾けなさい。 — 今すぐに。」
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1 システムの紹介 このシステムは古代から続く客観的な知識である ミクロコスモスとしての人間はそれ自身を超越することが可能である 目覚めのためにスクールは正確な方法を利用する
2 4つの低次のセンター(講座1を受けた方のみ受講可) 低次のセンターがどのように機能するか どのようにして低次のセンターが現在に存在する状態に取って代わるか 高次のセンターに達するために低次のセンターを利用する
3 現在に存在する状態をさらに生み出し、その状態を維持する (講座1および2を受けた方のみ受講可) 執事およびセンターの知性パート 「機械の背後に存在する知性」としての本能センター 現在に存在する状態をさらに生み出し、その状態を維持する特定の方法
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勝利の黄金像。フェローシップ・オブ・フレンズ・コレクションから。
今月のテーマに関する思想
何かに耳を傾けるなら、自由な心でそれを行いなさい。耳を傾けると同時に自分の思考を保ち続けると、心は決して自由にものを聴くことができません。 ピョートル・ウスペンスキー
ごく簡単に外界の印象を取り入れる人々がいます。けれどその印象は同じ速さで再び出て行ってしまいます。— 話しているあいだに。 ロドニー・コリン
音楽を聴くという行為は、人の複数の<私>に耳を傾けるよりも通常はるかに美しい経験です。自己を想起するひとつの方法として、他の人が話しているときにその人に耳を傾けるというやり方があります。 ロバート・アール・バートン
言葉が止んで沈黙に耐えられる時。それこそ、愛する者の瞳がもっとも伝えたがっていることに耳を傾けようと努めるべき時です。 ハフィーズ
話すにはまず聴かなければなりません。だから聴くことによって話すことを学びなさい。. ジェラルディーン・ルーミー
心の耳で聴き、注意を向けよ。 聖ベネディクト
絶えず耳を傾けよ。 ビアス
現在に存在する沈黙の中に生命の火花が見つかるでしょう。 ジェラルディーン・ルーミー
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