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2006年 8月 Vol 3, No 8
現在に存在する状態 ・目覚め ・ 高次のセンター ・ 最愛の者 ・ 神

現在に存在する

第四の道のアイデアを実践するための月刊ニュースレター

 

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空想を断つ

ウスペンスキー氏は「自己想起を試みようとすると、途端にあなたの中でなにかが空想を始める」と言っています。ここで説明しているのは、複数の<私>現在に存在する状態よりも空想を好み、現在に存在することから空想によってどのように私たちが遠ざかってしまうかです。

たとえばシャワーを浴びようとする時や食料品店に入るとき、あるいは仕事で会議を始めようというときに、現在に存在するという目的を立てたと想定してください。ほとんど直ちに出くわすのは、現在に存在するよりも何か別の事のほうが重要だと考える複数の<私>の抵抗です。このような複数の<私>に気を許したとたんに注意の分割は失われてしまいます。さらに、していることをそのまま続けていても、気がつかないうちに空想に陥っているのです。

またはあなたは、歩いていたり働いていたりただ椅子に座っているだけかもしれません。思考は絶えずあなたを空想へ引きずり込みます。あなたは仕事上の問題について考え続けたり、誰かと争ったりします。経済や政治の問題について、こだわり続けます。自分の経済状態や、将来、家族のことについて心配し続けます。セックスのことや、買い替える車、家や休暇のことを考え続けます。

いずれも生きていく上でもっともな関心事でしょうが、そうした事柄に没頭するのはほとんどが空想なのです。しかしこれを指摘されない限り、それが空想であると気づくことができません。さらに重要な点として、現在に存在することから注意を散らされていることが分からないのです。

注意の分割をしながら周囲の人を見れば分かり始めることがあります。誰もがほとんどいつも今現在に存在することと引き換えに、自分のしていることややり終えたこと、これからやりたいと思っていることについて、ある程度空想している状態にあるのです。ですから同じやり方で自分自身を観察し、自分が空想に陥らないように絶えず気を配る必要があります。

ロバート・アール・バートンは次のように言っています。「もし空想とは何なのかを本当に理解すれば、私たちはそれを即座に払いのけることでしょう。」しかしそれには現在に存在する必要があります。さもなければ空想にくつろいで安心し、それを楽しみにすらしてしまいます。さらにバートン氏は言っています。「四つのセンターすべてを空想は満足させます。それが人間にとって自然で、お気に入りの状態なのです。」

現在に存在することは空想に比べれば味気なく空ろで、時間の無駄のように感じられます。しかしこれこそ現在に存在することに対する複数の<私>の見方なのです。なぜなら現在に存在する状態により複数の<私>は追い払われてしまうからです。これにより複数の<私>は自分に対する注目、目的、独自性を失ってしまうと感じます。でもこれらはすべて空想です。この状態が生じると複数の<私>は無力感を経験するので、それを好みません。

一方で、現在に存在する状態は言葉のない目覚めの状態で存在することを学んでいます。これは何かとても新しい経験ですが、複数の<私>の抵抗にあって簡単に紛らわされてしまいます。それらの空想はまるで固い地盤のように見えますが実はワナであり、現在に存在するシンプルで持続的な状態から私たちを引き離そうとするのです。

空想を断つのが容易でないのは、それが数秒おきに生じるからです。けれども幸いなことに、現在に存在することはシンプルです。ロバート・バートンは言っています。「もし意識的存在になりたいのなら、必要なのは空想を断つことだけです。」


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空想に関する引用
目覚めるために為すべきことの中でも特に難しいのは、何が現在に在り空想ではないのかを絶えず理解することです。次に生じる複数の<私>があなたを空想に縛ろうとすでに控えています。それがワークする<私>でない限り。
ロバート・アール・バートン
空想とは人間を現状にとどめおくための力である。
ゲオルギー・グルジェフ
空想は私たちの中で生じて、私たちをだますのをいつでも待っている。それは我々の人生において非常に重要な部分を占めている。なぜなら我々はそれを信じ込んでいるからだ。それは独りでに生じて我々を支配する。我々はそれのなすがままである。
ピョートル・ウスペンスキー
あなたの思考はラクダの乗り手のようなものだ。そしてラクダはあなたなのだ。
ルーミー
もし救われたいのなら思考を信じないことだ。
フィロカリア、聖バルサヌフィアス
最高の科学にして最高の芸術とは、有害な思考を支配する能力である。
フィロカリア、エルサレムのヘシキアス
神のそばにありたいと望む者をして、神から彼を遠ざけるすべての物を捨てさしめよ。
ムハシビ
まやかしの家より立ち去り、永遠の家へ立ち戻れ。
モハメッド

あなたの心にシンプルさが生じたら、利口さに従うのでなくシンプルな状態にくつろぎなさい。
ミラレパ



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